An Exceptionally Simple Theory of Everything

E8の幾何学的イメージ

An Exceptionally Simple Theory of Everything(直訳:例外的に単純な万物の理論)とは、アントニー・ギャレット・リーシが2007年11月6日にarXivに提出したプレプリント(論文)のタイトル。彼の理論(E8理論)は、E8と呼ばれる248次元のリー群を用いて、標準模型に重力を統一することができると主張している。査読や科学雑誌での発表は行われていないが、多くの専門家の反応を招き、この話題と彼への公的な関心を呼んでいる。また、大学や研究機関に所属しておらず、(論文発表時)ハワイでサーフィンやスノーボードのインストラクターをして生計を立てていたり、公開されたWIKIで研究内容を公表しているような型破りさから、サーファー物理学者として様々なメディアに広く取り上げられた。

論題は、E8が単純群および例外型リー群に分類されることと、この分野にしては珍しく単純な理論であることを掛けた数学的な洒落である。

概要

E8理論は、標準理論及び重力理論の中の対称性がE8の構造のもとに統合され、その全体のダイナミクスがE8主束の接続とその曲率という極めて幾何学的な概念によって記述されることを主張している。以下に、リーシの議論を概観する[1]。

のリー代数は次のように分解できる。

また、標準理論が見えやすいような形に分解すると、以下のようになる。

E8リー代数に値を持つ接続 は、ボゾン場(1形式)とフェルミオン場(グラスマン値)が混在したものとして以下のように表現される。リーシは、通常のゲージ理論の接続がボゾンのみを扱っていることと対比させて、超接続(superconnection)と呼んでいる。

重力電弱セクター
重力と電弱相互作用を統合する「グラビウィーク(graviweak)」接続。
  • : 重力のスピン接続
  • : 重力のフレーム場 とヒッグス場 が結合した形式
  • :標準模型の弱相互作用のゲージ場 と、 に対応する場
強い相互作用及び新粒子セクター
強い相互作用と、理論が予測する未知の場を含む。
  • : 強い相互作用を媒介するグルーオン
  • : バリオン数マイナスレプトン数(B−L)に対応する 場
  • :レプトンとクォークを結合させ、世代を混合させる新しいスカラー場
  • : 世代に関連する新しい ゲージ場
フェルミオン・セクター()
電子、クォークなどの第1、第2、第3世代のフェルミオンに対応するスピノル場。これらは の持つ三対性(triality)によって互いに関連付けられている。

この理論におけるダイナミクスは、主束の接続 から計算される曲率2形式

で記述できる。

参考文献

  1. ↑ A. Garrett Lisi (2007). “An Exceptionally Simple Theory of Everything”. arXiv 0711.0770.

関連項目

外部リンク

論文

  • A. Garrett Lisi, An Exceptionally Simple Theory of Everything, arXiv:0711.0770
arXivに投稿されたギャレットの論文

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