Binance Japan

Binance Japan株式会社
Binance Japan Co., Ltd.
種類 株式会社
略称 バイナンスジャパン
本社所在地 日本の旗 日本
〒102-0084
東京都千代田区二番町9番3号
北緯35度41分6.2秒 東経139度44分12.3秒 / 北緯35.685056度 東経139.736750度 / 35.685056; 139.736750座標: 北緯35度41分6.2秒 東経139度44分12.3秒 / 北緯35.685056度 東経139.736750度 / 35.685056; 139.736750
設立 2017年5月
業種 その他金融業
法人番号 9120001205916
会社法人等番号 120001205916
事業内容 暗号資産交換業
代表者 千野剛司(代表取締役)
主要株主
外部リンク https://www.binance.com/ja

Binance Japan(バイナンスジャパン)は、世界最大規模の暗号資産取引所を運営するBinance(バイナンス)グループの日本法人である。

関東財務局に登録された暗号資産交換業者として、2023年8月より日本居住者向けに暗号資産現物取引・貸暗号資産などのサービスを提供している[1]。前身は2017年設立の株式会社サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)であり、Binanceグループが2022年11月に全株式を取得したことで現在の体制となった[2]。

概要

Binanceは2017年に趙長鵬(チャンポン・ジャオ、通称CZ)によって設立された世界最大規模の暗号資産取引所である。取引量において世界最大とされ、グローバルで2億5,000万人以上のユーザーを有する[3]。

日本法人であるBinance Japanは、金融庁傘下の関東財務局に登録された暗号資産交換業者として運営されており、主に暗号資産現物取引および貸暗号資産(シンプル・アーン)のサービスを提供する。代表取締役は千野剛司(ちの・たけし)が務める。2025年秋にはPayPay株式会社が株式の40%を取得し、持分法適用会社となった[4]。

沿革

日本上陸と無登録営業問題(2017年〜2018年)

2017年、中国政府がICO(Initial Coin Offering)および暗号資産取引に対する規制を強化したことを受け、Binanceを含む多数の暗号資産関連企業が海外移転を模索した。同年、日本は改正資金決済法を施行し、世界に先駆けて暗号資産交換業の法制度を整備していた[5]。

Binanceは2017年後半から2018年にかけて、日本語対応サービスを展開し日本人ユーザーの獲得を進めたが、金融庁(Financial Services Agency、FSA)への正式登録を完了しないままサービス提供を継続した。2018年3月、金融庁は正式にBinanceに対し無登録営業として警告を発出した[6]。

同年、Binanceは日本拠点構想を事実上断念し、運営拠点をマルタに移すと発表した。

2021年の再警告

2021年6月、金融庁は再びBinanceに対して警告を発出した。金融庁は、Binanceが依然として日本居住者に対してインターネット経由で暗号資産交換サービスを提供していると指摘した。これに対しBinanceは、「日本国内で正式な交換業務は行っておらず、日本ユーザーへの積極的な勧誘もしていない」との立場を表明した[7]。

Binance Japan設立と日本再参入(2022年〜2023年)

Binanceはその後、合法的な日本再参入を目指し、2022年7月に元Kraken Japan代表の千野剛司を日本代表として招聘した[8]。千野は慶應義塾大学卒業後、2006年に東京証券取引所に入社。日本証券クリアリング機構(JSCC)でのOTCデリバティブ清算プロジェクトの主導、PwC Japan CEO Officeでの勤務を経て、2018年に米暗号資産取引所Krakenに入社。2020年3月よりKraken Japan代表を務めた後、2022年7月よりBinance Japan代表に就任した[9]。

2022年11月30日、Binanceグループは金融庁(JFSA)登録済みの暗号資産交換業者である株式会社サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)の全株式を取得した。買収額は非公表。この買収はBinanceにとって東アジア初のライセンス取得となった[10]。同日より、グローバル版Binance.comは日本国内からの新規ユーザー登録を停止した。

2023年8月1日、「Binance Japan」として日本国内向けサービスを正式に開始した。サービス開始時点で、国内初上場となるBNB(Build and Build)を含む34銘柄の暗号資産を取り扱い、国内最多規模での提供を謳った[11]。同年12月1日をもって、グローバル版Binance.comにおける日本居住者向けサービスは完全に終了した。

グローバルでの法的問題(2023年)

2023年11月21日、グローバルのBinance(法人)およびCEOの趙長鵬(CZ)は、米司法省との司法取引において、マネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反・米国制裁違反・無認可送金業務に関する刑事責任を認めた。法人としてのBinanceは43億ドル(約6,400億円)の罰金支払いに同意し、趙はCEOを退任するとともに5,000万ドルの個人罰金に合意した[12]。趙の後任CEOにはリチャード・テンが就任した。翌2024年4月30日、趙に対して禁錮4カ月の判決が言い渡された[13]。

なお、これらの法的問題はグローバル法人に係るものであり、関東財務局に登録されたBinance Japanの事業運営に直接的な影響は生じていない。

近年の動向

2025年10月、PayPay株式会社がバイナンスジャパンの株式40%を取得し、資本業務提携を発表[14]。

2026年1月、Binance Japanはライフカードと提携し、決済額の一定割合がBNBで還元されるクレジットカード「Binance Japan Card」(JCB加盟店対応)の募集を開始した。取扱銘柄数は2026年1月時点で65銘柄に達している[15]。

2026年4月、Binance JapanとPayPayの連携サービスが拡張し、PayPayマネーで事前入金が可能に[16]。

サービス内容

Binance Japanは日本居住者向けに以下のサービスを提供している。

暗号資産現物取引
日本円建て取引ペアを中心に、2026年時点で65銘柄以上を取り扱う。取引手数料は一律0.1%。
貸暗号資産(シンプル・アーン)
保有暗号資産を預けることで報酬を受け取るサービス。
自動購入(オート・インベスト)
定期・定額での自動積立が可能。
NFTマーケットプレイス
EthereumおよびBNBチェーン間でのNFT取引に対応。
Binance Japan Card
ライフカードと提携したJCB加盟クレジットカード(2026年〜)。

なお、グローバル版Binance.comで提供されている先物・デリバティブ取引、レバレッジ取引、Launchpadなどのサービスは、日本の法令上の制約から現時点では提供されていない[17]。

経営体制

代表取締役
千野剛司(ちの たけし)—— 慶應義塾大学卒、オックスフォード大学MBA修了。東京証券取引所・PwC Japanを経て、Kraken Japan代表を歴任。2022年7月よりBinance Japan代表に就任。日本暗号資産取引業協会(JVCEA)副会長、日本暗号資産ビジネス協会理事を歴任。

評価と社会的影響

Binanceの日本参入および撤退・再参入の経緯は、日本の暗号資産規制が国際的にも整備された厳格な体制であることを示す事例として言及されることが多い。特に2018年のCoincheck不正アクセス問題(Coincheck hack)以降、金融庁は利用者保護およびAML(マネーロンダリング対策)を重視し、無登録海外業者への監督を強化した[18]。

一方でBinanceは、SEBC買収を通じて日本法に適合した形での再参入を実現し、日本市場での継続的な事業展開を図っている[19]。

脚注

  1. ↑ “Binance Japan、日本国内におけるサービスを本日より提供開始”. MONEY ZONE (2023年8月1日). 2025年4月30日閲覧。
  2. ↑ “Binance Acquires JFSA Registered Sakura Exchange BitCoin”. Binance Blog (2022年11月30日). 2025年4月30日閲覧。
  3. ↑ 『Binance Japan、新たに3銘柄の取り扱いを開始』(プレスリリース)Binance Japan、2025年1月7日。2025年4月30日閲覧。
  4. ↑ “バイナンスジャパンの評判まとめ”. CoinSpeaker Japan. 2025年4月30日閲覧。
  5. ↑ “買物の決済を「仮想通貨」でする時代が始まった”. ダイヤモンド・オンライン (2017年4月13日). 2026年4月30日閲覧。
  6. ↑ 「香港の仮想通貨交換業者に警告 金融庁が発表」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2018年3月23日。2026年4月30日閲覧。
  7. ↑ “金融庁が暗号資産取引所バイナンスに警告、2018年以来の2度目”. あたらしい経済 (2021年6月25日). 2026年4月30日閲覧。
  8. ↑ “千野剛司氏プロフィール”. CoinPost. 2025年4月30日閲覧。
  9. ↑ “千野剛司 著者ページ”. 東洋経済オンライン. 2025年4月30日閲覧。
  10. ↑ “Binance Enters Japan With Acquisition of Regulated Crypto Exchange Sakura”. Decrypt (2022年11月30日). 2025年4月30日閲覧。
  11. ↑ “バイナンスジャパン「日本国内でのサービス開始」を正式発表”. BitTimes (2023年8月1日). 2025年4月30日閲覧。
  12. ↑ “バイナンスと趙CEO、資金洗浄法違反認める”. Bloomberg (2023年11月22日). 2025年4月30日閲覧。
  13. ↑ 「仮想通貨バイナンス創業者、禁錮4カ月」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2024年4月30日。2025年4月30日閲覧。
  14. ↑ Binance Japan (2025年10月9日). “Binance Japan、PayPayと資本業務提携契約を締結 〜暗号資産×キャッシュレス決済で新たな金融体験を創出〜”. PR TIMES. 2026年4月30日閲覧。
  15. ↑ “バイナンスジャパン、BNBが貯まるクレジットカード「Binance Japan Card」リリースへ”. あたらしい経済 (2026年1月13日). 2026年4月30日閲覧。
  16. ↑ 橋本 祐樹「Binance JapanとPayPayの連携サービス拡張——PayPayマネーで事前入金が可能に」『NADA NEWS』N.Avenue、2026年4月9日。2026年4月30日閲覧。
  17. ↑ “バイナンス”. www.binance.com. 2026年4月30日閲覧。
  18. ↑ 「金融庁、仮想通貨の無登録販売を厳罰化へ 拘禁刑3年→10年以下に」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2026年3月16日。2026年4月30日閲覧。
  19. ↑ “サクラエクスチェンジビットコイン、暗号資産積立サービス提供終了”. あたらしい経済 (2023年2月1日). 2026年4月30日閲覧。

関連項目

外部リンク