DEFA 550

DEFA 500シリーズは、フランスの軍備製造研究部(Direction des Etudes et Fabrications d'Armements: DEFA[1])が開発した航空機関砲[2]。30mm口径のリヴォルヴァーカノンである[2][3]。
初期モデルである541の製造はごく短期間で終了しており[3]、現在の製造元であるネクスター社では30 M 550シリーズとして販売している[4]。
来歴
第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツのマウザー社において、リヴォルヴァーカノンという新形式の機関砲の開発が進められていた[5]。これにより設計されたのがMG 213で、20mm口径のMG 213C(後にMG 213/20と改称)と30mm口径のMG 213/30が開発されていた[5]。終戦後、設計チームの人員は西側諸国において作業を継続しており、チームを率いていたアントン・ポリッツァーはフランスに渡った[5]。
フランスでは、3CG計画として、MG 213をモデルにしたリヴォルヴァーカノンの開発を推進した[3]。まず1949年に製作されたMK 255砲では30×99mmB弾を使用しており、後にこの砲は3CG-F30、更に3CGFへと改称された[3]。そして最終的に、30×97mmB弾を使用したモデルが、541として実用化された[3]。
当時、イギリスもMG 213の設計チームの人員を招いて、MG 213/30を基にした30mmリボルバーカノンであるADENを開発・配備していた[6]。1953年、英仏両国は、ADENとDEFA 500シリーズの薬室サイズを共通化することで合意した[3]。これに従い、フランスでは、弾薬規格を30×113mmB弾に変更した552(550-F2)が開発され[3]、1954年より生産が開始された[4]。
1971年には、設計を大幅に刷新した553(550-F3)が登場した[3]。そして1984年には、同シリーズの決定版となる554(550-F4)が登場した[3][注 1]。ラファール戦闘機の搭載砲として開発された791も550シリーズの発展型ではあるが、弾薬規格を30×150mmB弾に変更したほか、薬室を7個に増やすなど、設計を抜本的に変更している[7]。
設計
500シリーズの設計はMG 213/30とよく似ており、ガス圧作動方式のリヴォルヴァーカノンで、薬室数は5個、撃発は電気式という点も同様である[6]。ただし弾薬については、MG 213/30では30×85mmB弾が使われていたのに対して、フランスはより長い薬莢を選択し、試作段階で30×99mmB弾や30×116mmB弾を試した後、541では30×97mmB弾が採用された[8]。この際、弾薬全長は同程度で収まるよう、薬莢を長くする一方で弾頭は短くされた[8]。上記の通り、552では、イギリスのADENとの共通化のため30×113mmB弾が採用されたものの、標準化が不十分で、燃焼室圧力の時間変化や電気雷管の発火に用いる電気インパルスのパターン、給送弾用リンクの強度・柔軟性にまで及んでいなかったため、英仏両国の弾薬は完全な互換性を有するには至らなかった[8]。
553は、従来の550シリーズを基に構造を全体に強化することで、誤動作の発生率を低減した[3]。またこれにより、従来の550シリーズは脱着可能なトレイを介して機体に設置されていたのに対し、直接機体に設置できるようになった[3]。更に、従来は給送弾を砲の右側から行う場合と左側から行う場合とで異なるリンクを使う必要があったのに対し、553では共通化されており、地上整備員の負担も軽減された[3]。
| 541 | 552/3 | 554 | |
|---|---|---|---|
| 弾薬 | 30×97mmB | 30×113mmB | |
| 砲身長 | 37口径長 | 47口径長 | n/a |
| 全長(cm) | 166 | 170 | 201 |
| 重量(kg) | 84 | 80 | 85 |
| 自動機構 | ガス圧作動方式 | ||
| 閉鎖機構 | リヴォルヴァー式 | ||
| 発射速度(発/分) | 1,200-1,400 | 1,100-1,500 | 1,800 |
搭載機種一覧
フランス
フランス以外
脚注
注釈
出典
参考文献
- 富永浩史「ミラージュF1徹底解説」『世界の名機シリーズ スペシャル エディション ミラージュF1』イカロス出版、2024年、17-49頁。ISBN 978-4802214711。
- Chinn, George M. (1987), The Machine Gun: Development of Full Automatic Machine Gun Systems, High Rate of Fire Power Driven Cannon, and Automatic Grenade Launchers by the United States and her Allies, following World War II, Korean Police Action, and the Vietnam Conflict, V, Bureau of Ordnance
- ForecastInternational (2024-03), DEFA Aircraft Cannon
- Williams, Anthony G. (2022), Autocannon : A History of Automatic Cannon and Ammunition, Crowood Press, ISBN 978-1785009204